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赤字でも繰越控除?!賃上げで法人税を節税!2024年改正「賃上げ促進税制」をわかりやすく解説

いま、賃上げが“節税”になる時代へ

物価高・人手不足・採用難――そんな中、企業の経営者が頭を悩ませる大きな要因の一つが「法人税の負担」です。そんな中、「賃上げによって法人税を減らすことができる」という、一見すると夢のような制度があるのをご存じでしょうか?

それが「賃上げ促進税制」です。

特に2024年4月の改正で、制度はより使いやすく、そして節税効果も高まりました。本年(2025年)の3月決算企業の皆さんから初めて改正後の制度適用になるところが多くなるのではないのでしょうか?

本コラムでは、2024年改正のポイントを中心に、「賃上げ = 法人税の節税」という仕組みを徹底解説します。

賃上げ促進税制とは?法人税が減る仕組みを解説

「賃上げ促進税制」は、社員の給与総額を前年より増やすことで、法人税額から直接控除が受けられる制度です。中小企業であれば、一定の条件を満たすだけで、前年比の給与増加額に対して15%~45%までの法人税額を控除できる可能性があります。

この制度を活用すれば、以下の“三方良し”の経営戦略が実現できます。

  • 社員の満足度・定着率アップ
  • 採用ブランディングの強化
  • 法人税の大幅節税

2024年4月改正で何が変わったことは?繰越控除措置については要チェック!

この制度は、2024年4月以降に大きく改正され、以下の点で中小企業が使いやすくなりました。

  1. 教育訓練費の増加率要件が5%に引き下げ
  2. 控除超過分の“繰越OK”

特に「2. 控除超過分の“繰越OK”」については要チェックです。

仮に赤字年度の場合に、改正前は税額控除の適用ができずにそのままそこで完結してしまってました。
これが改正後は、赤字年度は税額控除はできませんが、税額控除をできなかった分は翌年度以降「5年間」で税額が発生した際に控除することができるようになりました。

ですので、賃上げによる税務メリットを無駄なく受けることができるようになりました。

要件チェック:うちの会社でも使える?

賃上げ率:前年比1.5%以上の給与支給総額増加(加算措置は2.5%以上)
教育訓練費:前年比5%以上増加かつ給与支給総額の0.05%以上で加算適用(外部研修や社内教育も対象)
対象企業:青色申告をしている中小企業
控除限度:給与増加額に対して最大45%までの法人税額控除(超過分は翌年度に繰越可)

引用元:中小企業庁「中小企業向け賃上げ促進税制ご利用ガイドブック

シミュレーション:節税効果を“見える化”します

◆モデル企業の想定(従業員数1000人以下)

  • 年間人件費:5,000万円
  • 前年度比:2.5%増加(=125万円の増加)
  • 教育訓練費:前年度比5%以上増加
  • 課税所得:1,500万円
  • 法人税額:約280万円

◆控除額の計算

  • 控除対象額:約56万円
  • 控除率:40%(給与増加分30%+教育訓練加算10%)
  • 税額控除額:給与増加額125万円 × 40% = 50万円

法人税が約280万円 → 約230万円に減少します。

つまり、この制度を適用させることにより、給与増額による企業の実質負担は75万円ということになり、賃上げ負担は通常よりも少なくなるということになります。

手続きは難しい?

手続きはむしろシンプルです。
申告にあたっては、以下のような準備が必要です。

  • 賃金台帳・給与明細
  • 教育訓練費の領収書や内訳資料
  • 税務申告書における税額控除記載(税理士対応可)

どんな企業に向いている?活用すべき企業の特徴

  • 離職率を下げたい/人材定着を強化したい
  • 教育研修に力を入れている(eラーニング等含む)
  • 利益は少なくても、翌年以降の黒字が見込める
  • 賃上げを考えているが、コスト増が不安

まとめ

賃上げ促進税制は、「社員の給与を増やしたら税金も減った」という実感を経営者に与えてくれます。時限的な制度になっているため、まさに今取り組みが必要になっています。

  • 人材の流出を防ぎ
  • 採用力を高め
  • そして法人税の支出を抑える

2024年改正により、より身近な制度となった今、まずは「自社が対象となりそうかどうか」をチェックし、早めの対応を進めましょう。

特に、決算を終えてから「実はあと一歩」で適用が受けられたのに、、、ということは非常にもったいない状況です。そうならないためにも、決算日を迎える前に適用可能かどうかの確認をすることをオススメします。

チェックリスト:あなたの会社は対象か?

  • 賃上げ率は前年比1.5%以上?
  • 教育訓練費は前年比5%以上増やしている?
  • 青色申告を行っている?
  • 税理士と制度の活用について相談できている

本記事で解説したポイントと判断基準を参考に、適切な経理処理を行っていただければと思いますが、判断に迷いましたらお近くの税理士までお気軽にご相談ください。

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