経費
会社の車の買い方で節税が変わる!経費化・キャッシュ負担を徹底比較

はじめに|「車の買い方」で節税効果が大きく変わる時代
会社で車を購入すれば経費になるという認識は広がっていますが、購入方法によって経費になるタイミングや金額が大きく異なります。このコラムでは、5つの代表的な車の購入方法について、経費処理・節税効果・キャッシュフローなどの視点で比較し、どの買い方が会社にとって最適かを解説します。
車の買い方は主に5パターン|それぞれの特徴を整理
- 現金一括払い購入
車両代金を一括で支払って購入する方法です。 - 割賦購入(ローン)
クレジットローンなどの分割払いにより購入する方法です。 - 残価設定型クレジット購入
設定された車両の残価を差し引いた金額を分割払いすることにより購入する方法です。
毎月の分割支払代金を抑えることが主な目的のローンです。 - リース契約
毎月のリース料を支払うことで車両を使用することができます。
車両にかかる諸経費もリース料に含めて支払うなどできるため、毎月の支払額を平準化することができます。 - 残価設定リース契約
リース料総額から、設定された車両の残価を差し引いた金額をリース料として支払うことで車両の使用をすることができます。
毎月のリース料支払代金を抑えることが主な目的のリース契約です。
これらの仕組みや会計・税務上の違いを押さえることが、良い選択につながります。
会社で買った車はどうやって経費になるのか?
「現金一括払い購入」「割賦購入」「残価設定型クレジット購入」の場合、車両本体価格は資産計上され、法定耐用年数(普通乗用車は6年)で減価償却費計上されます。
「リース契約」「残価設定リース契約」で導入した場合には、毎月支払うリース料をその都度経費に計上されます。
5つの買い方でどう変わる?経費・消費税
各方法について、下記表にて5年間の経費計上額、消費税額インパクトを比較します。
【前提】
車両金額 5,500,000円(消費税込)
残価設定金額 1,100,000円(消費税込)
割賦年数 5年(割賦金額92,000円、残価クレジット時支払額74,000円)
リース年数 5年(リース料92,000円、残価設定リース支払額74,000円)
※割賦及びリースに関して簡便化のため金利はゼロとします。
※端数処理は割愛します。
※車両は新車の普通車です。
※法人での購入です。
購入方法別 メリット・デメリットまとめ
上記のように購入方法によって、経費額や消費税控除額を計上できる時期と金額が異なります。
これらを基にすると、それぞれのメリット・デメリットは以下のようになります。
どの買い方がベスト?判断ポイントはここ!
その時の会社経営において何を重視するのかによって最良な選択は変わります。
それぞれの購入方法がどういった場合におすすめなのか、いくつかご紹介します。
- 現金一括払い購入
・会社のキャッシュに余力があり、購入時の法人の法人税&消費税を抑えたい場合 - 割賦購入
・購入時の法人の法人税&消費税を抑えたいが、キャッシュの余力に不安がある場合 - 残価クレジット購入
・購入時の法人の法人税&消費税を抑えたいが、キャッシュの余力に不安がある場合
・金利額は多くなっても、毎月の分割支払額を抑えたい場合
・短期間での乗換え前提である場合(長期間だと金利負担が増え、トータル支払額が多くなる) - リース契約
・毎月、毎年の経費額を平準化したい場合
・車両に関する定期的な経費もリース料と共に支払いたい場合 - 残価設定リース契約
・毎月、毎年の経費額を平準化したい場合
・車両に関する定期的な経費もリース料と共に支払いたい場合
・毎月のリース料の金額を抑えたい場合
まとめ|「車は経費にできる」で終わらせない。経営状況に沿った購入方法を。
同じ車を買っても、買い方次第で経費額の計上額等に数十万円単位の差が出る可能性があります。
会社の経営状況や今後の経営戦略に合った買い方を選ぶことが、節税につながり、キャッシュを最大限に活かし、安定的な経営につながります。
法人で車を購入する場合は様々な購入方法を検討しましょう。
また、購入した車両を下取りや売却する際には法人税や消費税が課税される場合がありますので、長期的な視点での判断も必要になってくるかと思います。
本記事で解説したポイントと判断基準を参考に、適切な経理処理を行っていただければと思いますが、判断に迷いましたらお近くの税理士までお気軽にご相談ください。
※本コラムは2025年8月時点の法令を基に執筆をしております。
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